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Twilight

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ルークと薬と収穫祭(ティア・アニス編)

 

「まぁ、気のせいか。ティア達のところにいこ~っと♪」 (ティア・アニス編)
 



 コンコンコン・・・
 ティアとアニスが控えていた部屋に元気のよいノック音が響いた。誰が来たかはすぐに分かったので、アニスはさして警戒する様子もなくそのドアを開けた。そこには二人の予想通りの人物が、ドアの向こうでかぼちゃ型の篭を胸の前に掲げて立っていた。
「ティア、アニス!とりっくおあとりーと!!」
 朱い耳としっぽを元気よく揺らして満面の笑みを浮かべてそう言ったルークは、ずいっと篭を二人の前に差し出した。お尻から垂れたしっぽが揺れる様子は、子供の浮かれた気分を表しているかのようだ。そんな子犬の様なルークの姿を見て目をうるうるさせながら悶えているティアを横目に、アニスはルークを部屋に招き入れた。
「はいはーい。かわいい子犬様1匹ごあんな~い☆」
「子犬じゃぬぇーよ!狼男だっつーの!!」
「えぇー?だってどう見ても狼っていうより犬だし~♪ルークは今縮んでるからまさに子犬って感じ??w」
「縮んだっていうな!」
常日頃から自分の身長にコンプレックスを持っていたルーク。実は子供になってさらに縮んでしまった身長の事を気にしていたらしい。痛いところをつかれてむすっとふくれっつらになった。
「まぁまぁ、アニス。それぐらいにしてあげたら?」
「ティアは黒猫か~」
「え?えぇ。・・・・やっぱり変だったかしら///」
「え~?ティアらしくて可愛いと思うぜ?」
「る、ルーク///」
「うは。言いおったこいつ・・・(アッシュの時と言い、日頃言えないことが素直に言えるってのは子供になったおかげかもね~)」
「へ?」
「と、とにかく!お菓子の準備はできてるから、こっちへ来て」
 ようやく立ち直ったティアが止めたおかげでアニスのからかいの魔の手から逃れたルークは、ティアの案内で部屋の中央にあるソファへと腰かけた。ティアもルークの向かいに腰かけると、机の上に置いてあった箱の上蓋を両手で支えるようにして挟んで持ち上げた。箱の中身は奇麗にフルーツが盛り付けられた可愛らしいタルトケーキだった。
「おお!フルーツタルトだ~♪」
「それ、ルークのためにティアが自分で焼いたんだよ~?」
「あ、アニス///(言わないでって言ったのに///)」
「いいよね~、らぶらぶカップルはさ~♪(え~?そんなこと言ってたっけ~♪)」
「アニス!!///」
「はいはーい!で、こっちがアニスちゃんからね☆」
ティアが叫んだのを機に、これ以上突っ込むとやばいと判断して話題をそらしたアニスは、ルークの前にピンク色の小さな紙袋をさしだした。袋は中に入ったお菓子によってこんもりと膨らんでいる。
「こっちはアニスちゃんの特性マドレーヌとクッキーだよ~。お返しはファブレ家御用達のお菓子屋さんのお菓子をヨロシク~☆」
「お返しってなんだよ・・・」
 渡しながらちゃっかりお返しの注文をつけるあたりはさすがアニスか。袋を開封すると部屋に香ばしい匂いが立ち込めた。おいしそうな匂いに思わず笑顔になる。
「ティア、アニス、ありがとう!!」
 ルークの満面の笑みにまた現実逃避しだすティアを横目に、「どういたしまして~♪」とアニスは返した。
「んじゃ、ティアのケーキから食べちゃおっか。私のは焼き菓子だから日持ちするしね~」
「・・・あ。私は紅茶を淹れてくるわね。アニスはお皿の方をお願い」
「はいはい~」
「ルークは、今日はお客様なのだから座っていて」
 そう言ってティアはテキパキと淹れたての紅茶の入った温かいポットと人数分のカップを用意しテーブルの上に並べていく。アニスがお皿とフォークを持ってくると、早速タルトを切り分け始めた。
「はい。どうぞルーク」
「ありがとう!」
「あ、ティア!アニスちゃんのはいちごがいっぱい乗ってる部分ので♪」
「えぇ、わかったわ」
「わ~い☆」
「うわ!これうまっ!!」
「え?どれどれ・・・・・。むむむむ。やっぱりお菓子作りはティアの方が一枚上手か・・・」
「料理はアニスが一番うまいじゃない///」
「そうだけど~・・・」
 と、そこで何か思い出したのかアニスの目は何かを企んでいるかの様に細められた。
「そう言えばさ~。ティアはルークからのお返し何か頼まないの~?」
「お返しって本当にするもんなのか?!」
「そうだよルーク、知らなかったのぉ?(嘘)・・・だ・か・ら!ティアも何か頼んじゃいなよ☆」
「で、でも・・・」
「ルークに強制的にお願いできるのなんて今くらいなんだから、ほらほら~。ルークもいいよね?!」
「え、あ、うん(押され気味)」
「じゃぁ・・・。ルーク!これを着てみて欲しいの!!///」
 ガバッとソファの後ろから現れたのは大量の大きな紙袋。表面には「=ウパラハウス=」というロゴが入っている。あれ?ウパラってどこかで聞いたことあるような・・・?茫然と見つめるルークを無視して、只今絶賛かわいいモードに突入しているティアは、紙袋からこれまた大量の子供服を取り出した。メイド、ねこねここねこ、着物などマニアックなものから猫耳のフードの付いたパーカー、カーゴパンツ、タンクトップのシャツなど日用品まで様々なものが目の前に並べられていく。どれもどこか可愛らしいデザインなのはティアの趣味だろう。
「ほらほら~。ティアのお願いなんだから着てあげなよ。さぁ、立った立った!!」
「え?ちょ、待っ・・・?!」
 ガシッ・・・
「ルーク、これなんかとっても可愛いと思うの///(かわいいかわいいかわいい以下略)」
「てぃ、ティア・・・?(汗)」
 鼻息の荒くなったティアに肩をがっしり掴まれては、子供の姿である今のルークに逃げる術はなかった。そのまま大量の服を持ったティアに、ずるずると隣室のベッドルームまで引きずられてしまう。さすがに事態を理解したのかティアの腕の中でもがいてみるが、ティアはかよわく見えても軍人。思った以上に強い握力を持つ手は決して緩まない。
「行ってらっしゃ~い♪(生きて帰ってきてね~♪)」
「アニス!お前ティアのお願いのこと知ってただろ?!っていうか助けてぇ!!!」
 キィィィ、バタンッ・・・
 ルークの助けを呼ぶ声は無情にも閉じられたドアによってかき消された。次の瞬間、「ちょっ、ティア!やめろっ、やめてくださいっっ!!・・・い、ぃいやぁあぁぁああああーーーーーーーっ!!!!」というルークの悲鳴がグランコクマ宮殿中に響き渡った。アニスはその隣室からの悲鳴を聞きながらのんきにタルトと紅茶に下鼓をうっていた。
 その後、悲鳴を聞きつけてやってきた保護者兼親友が、あまりのことに真っ白に燃え尽きた小さな親友の姿に見かねて助けに入るまで、ティアによるルークの着せ替えファッションショーは終わることはなかったという。



追記:最後、ちびルークが叫んでるのは、暴走したティアに服剥かれたからです、てへっ☆
    好きな相手とはいえ、問答無用で襲いかかられるのって多分怖いですよね・・・w

 
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