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Twilight

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ルークとチョコとかくれんぼ・1

バレンタインデーにちなんだお話です。

相変わらず男性陣数名への扱いがひどいです。

それでもおk、むしろバッチコーイな方は下へお進みくださいw








 
 
 年に1度の女性の聖戦、男性にとっては今年1年のモテ度が決まってしまう恐怖の1日、バレンタインデーが今年もやってきた。好きな人にあげる本命チョコ、男友達にあげる義理チョコ、最近では女の子同士で渡し合う友チョコや、家族にあげるチョコなんて物もあるらしい。この時期になるとお菓子を扱うお店では店頭にチョコレートコーナーが設置され、バレンタインを告げるチラシが街中に貼られるようになる。普段女性と全く縁の無い人でも、この日ばかりはやっぱり意識してしまうものだ。世の男達が思い人からのプレゼントされるかもしれないチョコレートを夢見て胸を高鳴らせている時と同じ頃。ルークもまたレムの塔内にある客室にて、別の意味で胸を高鳴らせていた。客室には街の運営に関わっているジェイド、ガイ、ティアの他に、偶の休暇で街を訪れていたアッシュとナタリア、そしてダアトからの報告書を届けに来たアニスがいる。なぜか顔色の悪い男性陣は横一列にそれぞれ立たされており、彼らの目の前にある机の上には可愛らしくラッピングされた宛名カード付きの小箱が3つ並べられている。
「私手製のチョコレートですわ!今年はアニスに手伝っていただいて、会心の出来ですのよ!!」
 胸を張ってそう言ったのは、青い顔をしている男性陣の前で鼻高々なナタリアだった。彼女の背後にはやや引き攣った笑顔のティアとアニスが事の次第を固唾をのんで見守っている。
「で、これを、俺たちに・・・?」
 代表でルークが恐る恐る尋ねる。
「そうです、ルーク。さぁ、遠慮なく召し上がってくださいな!」
 出来れば否定して欲しかったルークの思いも空しく、ナタリアは満面の笑みで答えた。それを見て、アッシュ以外の3人が顔を寄せ合いコソコソと話し始めた。
(あっはっは~。出来れば謹んで辞退させて欲しいのですがね~♪)
(俺だって嫌だっつーの!料理が壊滅的に下手なナタリアの手製チョコって。しかも会心の出来とか、一体どんな殺人兵器なんだよ!!)
(ルーク、ナタリアもお前には言われたくないと思うぞ?・・・でも、さっきから部屋にこもってるこの異臭って、まさかナタリアのあの箱が原因か・・・?)
(まさかも何も、あれが原因で間違いないでしょうね)
 部屋に入った瞬間から、甘い様な辛い様なすっぱ苦い様な、それでいて何かを壮絶に焦がしたような、香ばしいを通り越して焦げくさい臭いが漂っており、何事かと思ってはいたのだが。ナタリアがこの小箱を、手にしていた紙袋から取り出した瞬間臭いが強まったのでまず間違いないだろう。
「3人共、何をやっていらっしゃいますの?」
「いや!な、なんでもないさ。わざわざ俺たちの分までありがとう、ナタリア」
 半眼で睨みつけるナタリアを慌ててガイが宥める。
「どういたしまして。いつもお世話になっているみんなへの、私の感謝の気持ちです。・・・あ、そうですわ」
 そう言うと紙袋の中をさらに漁り出し、中から机の上に置かれている物より一回り大きい箱を取り出した。箱にはでかでかと『アッシュへ❤』と書かれてある。
「これは、アッシュの分ですのよ。腕によりをかけて作りましたの。受け取ってくださいますか・・・?///」
「ナタリア・・・。喜んで頂こうか!///」
「アッシュ!///」
 今にも手を取り合いそうなラブラブなオーラを放ちつつ、アッシュはナタリアから受け取った箱の包装を開き、中からチョコレートらしき物体の欠片をつまみ上げた。包装を開いた途端さらに一段と異臭が強まって、アッシュの背後にいたルークとガイは思わず手で鼻と口を抑え、ジェイドは素早くハンカチで鼻から下を覆った。
「アッシュ、止せ!明らかにやばいってそれ!?」
「うるせえ屑が!ナタリアからもらったものをまさか食えないとでも言うつもりか!?」
「まさかも何も、その臭いが分からねぇのかよ?!」
「それがどうした!・・・情けねぇ。こんな奴が俺のレプリカとはな。食う前から文句垂れるお前にはナタリアのチョコはやらん!」
「え?ちょっと、待っ・・・!!」
 ルークの制止も空しく、アッシュは徐に手にした欠片を口の中に放り込んだ。仲間たちが見守る中、そのままもぐもぐと咀嚼し、嚥下する。
「・・・どうですか、アッシュ?」
 ナタリアが不安そうに声をかけると、アッシュは満面の笑みで、
「ああ。うまいぞ、ナタリ・・・・グファ!!」
 毒、麻痺、石化、封印、病気等ありとあらゆるステータス異常を起こした上で、泡を吹いてその場に昏倒した。
「アッシュ、どうしましたの!?しっかりなさってください!!」
ナタリアが慌てて揺り起そうとするが、見る間にアッシュのHPは減っていく。その様子を見ていたルーク達は震えあがった。自分たちもチョコを食べれば、アッシュと同じ運命を辿ることになるのだ、と。そうこうしている内に、アッシュが痙攣しだして、そしてぐったりと体から力が抜けた。
「アッシュ―――――――!!!」
 アッシュ、ナタリアに見守られながら、チョコによる食中毒により瀕死。戦闘不能。
「マジでやばいってそのチョコ。そんなの食えるか!逃げるぞ、ガイ!!」
「あ、ああ・・・」
ルークとガイは身の危険を感じ、全力で部屋から脱走を図った。あっという間に遠ざかっていく2人の背中を見やりながら、部屋に残ったジェイドはというと。
「では、私は仕事がありますので。チョコはもらっていきますね。後でゆっくり味見させていただきますよ(嘘)」
「あら、そうですの。後で感想を聞かせてくださいな」
 ジェイド宛てのチョコの箱を手に取ると、何食わぬ顔でスタスタと部屋を後にした。ジェイド、お得意の口八丁手八兆で、無傷で戦線離脱。
「それにしても、あの2人の態度・・・。いくらアッシュが倒れてしまったとはいえ、許せませんわ!こうなったら意地でも食べさせて見せます!ティア、アニス、2人を捕まえに行きますわよ!!」
 机の上に置いてあったルークとガイ宛ての小箱を握り締めたナタリア。どうやら変な方向に火が付いてしまったようだ。
「ハーイ☆何だか面白そうだからアニスちゃん、ナタリアに全面協力しちゃうよ~♪」
「え?ええ??」
「ほらほら、ティア。早くしないとおいてっちゃうよ~?」
部屋を勢いよく飛び出した2人に目を白黒させながら、ティアは慌てて後を追って部屋を駆けだしていった。部屋には、未だに昏倒したままのアッシュが1人残されたのだった。
 
 
 

「ルークとチョコとかくれんぼ・2」へ



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