忍者ブログ

ゲーム・漫画などの2次創作小説やイラストを展示するブログです。

Twilight

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。


アビスキャラ in MH2G・5


※この話はアビスキャラ in MH2G・4 の続きです。







 2人がまず訪れたのは、雪山の麓にある平原だった。湖の脇にはこの辺りに広く生息するポポと呼ばれる草食動物が群れを作っていた。体は大きいが大人しく臆病な性格で、格好の初心者向けの相手とも言える。注意すべきことは、敵を見つけた瞬間に群れをなして逃げていくので、目標を定めて手早くしとめることが重要だ。
「じゃ、生肉を剥ぎに行くとするか。え~と、納品数は10個か・・・」
「あいつらを倒して、剥ぎ取ればいいんだよな?」
 ルークが目の前でのんびりと草を食んでいるポポを指さして問うた。
「そうだ。生肉は大体草食系の動物から採れるんだ。この辺りだと、このポポっていう象みたいなやつと、あとはガウシカっていう大型の鹿が一般的だな。ガウシカの方はポポと違って血気盛んな奴だから、狩るときには十分気をつけろよ?」
「分かった!」
「・・・そういえばルーク、まだお前の得意武器を聞いてなかったな。何を使うんだ?」
「え?」
 ガイにそう聞かれると、ルークは一瞬呆け、それから顎に手をやって考え出した。
「ヴァンのところにいた時もお供についていたんだろ?その時は何を使ってたんだ??」
「師匠のところではタル爆弾を使ってたんだけど・・・でも・・・・」
「おやぁ?あなたも爆弾を??これは奇遇ですね~♪」
「『ジェイド?!』」
 不意に背後から割り込んできた声に驚いて振り向くと、そこには青いマフモフコートを着込んだジェイドが、うさんくさい笑みを浮かべて立っていた。
「ジェイドの旦那。なんでこんな所に1人で?陛下と一緒じゃないのか??」
「いやぁ、実はですね。その陛下からの命令であなた達を探していたのですよ。ガイの家に行ったらもう既に出かけた後との事だったので、ここまで追ってきた訳です」
「俺達に用事?」
「えぇ、ルーク。陛下より、『今日からルークの監督官としてしばらく狩りに同行するように』と申しつかりましてね。しばらくはガイの狩りに同行しつつ、あなたを観察、もとい鍛えさせていただきますよ♪」
「なんだって?!じゃあこれからしばらくは旦那とも一緒なのか・・・(汗)」
「ガイ~?何か問題でも??」
「いえ、何でもありません!」
 私としても面倒くさいのはご免なんですけどね~♪と悪びれもせずに言うジェイドにムッとしつつも、ルークはジェイドに1歩近づいた。
「今日からジェイドは俺の先生ってことになるのか?」
「ええ、そうです。他に何か質問はありますか?」
「いや。・・・とりあえず、今日からよろしくお願いします」
 ぺこりと頭を下げるルークに対して微笑むと、ジェイドは思い出したようにポンっと小気味よい音を立てて手を打った。
「そういえば、先ほどの話の続きですが。ルーク、あなた爆弾を使うそうですね?」
「え?あ、うん。でも・・・。実はあまりうまく扱えた試しがなくて。それでしょっちゅうヴァン師匠に怒られてたんだ」
「ふむ。では、試しにそこのポポをガイと協力して爆弾でしとめてみなさい」
「俺は強制なのか・・・」
「ガイ、何か文句でも?」
「いえ、何も?」
 結局ジェイドにこき使われるのかとため息を付きながら、ルークに目線で合図する。ルークもそれに頷いて、頭上に爆弾を掲げた。不意にガイが体制を低くし、次にはポポとの間合いをあっという間に詰めて太刀でその足元を一閃した。辺りには激しく血が飛び散り、ポポはバランスを崩して地面の上でもんどり打っている。仲間の悲鳴を聞きつけたポポの群れは、その瞬間に一斉に移動を始めた。
「ルーク!獲物が逃げるぞ!!」
 ガイの言葉に焦ったルークは、急いでその群を追いかけ、近くを通りかかったポポにその爆弾を投げつけた。・・・が、爆弾はあらぬ方向へ飛んでいき、ポポの右後方に着弾した。
「あ、あれ?・・・よし、もう一丁!!」
 気を取り直して爆弾を構えたルークは、爆弾にひるんでたたらを踏んでいるポポに再度爆弾を投げつけた。・・・しかし、今度は投げる前に爆弾がルークの手をすり抜けてしまった。後方ではガイの慌てた声と、ジェイドの食えない笑い声が響く。次いで着弾時の轟音が辺りに響いた。おそるおそる振り向くと。
「いやぁ。素晴らしいコントロールですね、ルーク♪」
 無傷のジェイドと。
「なんで・・・俺・・・・が・・・・・・ガクリ」
 外はこんがり中はジューシー・・・じゃなくて、所々黒く焦げたガイが倒れていた。
「ガイ!!大丈夫か!?」
 慌てて近寄ったルークが助け起こし薬を飲ませると、ようやく回復したガイが目を覚ました。
「なんか今夢の中で、死んだはずの姉さんが花畑で手を振ってた気がする・・・」
「ガイ?!それは夢じゃなくて臨死体験だから!!ていうかそっち行ったらダメだ死ぬぞ!!」
「アハハハ~、面白い主従漫才ですね~。それにしてもルーク、あなた・・・」
「な、なんだ?」
 急に真剣な表情になったジェイドの様子に緊張して居住まいを正すと。
「爆弾を扱うセンスが皆無ですね。狙いを外すどころか、完全に範囲外のはずの主人の所にピンポイントで爆撃するとは・・・」
「うぅ・・・(汗)」
「今後は爆弾を使うのは控えた方がいいでしょうね。何か別の攻撃手段を考えましょう」
「だな。・・・そういえばルーク。雪山でその手に持ってる武器を使ってたけど、それはどうなんだ?」
「え、これか?」
 そう言って自分の持つ猫の手型の武器「にゃんにゃん棒」を見つめる。
「ヴァン師匠から『持っていないよりはいいだろう』って適当に選んでもらったものなんだけど。今まで爆弾ばっかだったから、あまり使ったことはなかったんだよな・・・」
「ふむ。物は試しです。今度はその武器で接近戦をしてごらんなさい。獲物は、そうですね・・・」
ジェイドは辺りを見回す。と、何かを見つけたようにニヤリと笑った。その笑顔に何やら悪寒が走ったのは気のせいだろうか?
「ちょうどいいところにガウシカがいますね♪あれの相手をしていただきましょうか」
「分かった!行ってくる!!」
 そう言うと、ルークは武器を構えてガウシカに突進していった。
「え?ジェイド、武器変えていきなりガウシカ相手は・・・」
「ま、彼なら大丈夫でしょう。ちょっと黙って見ていてください」
 そうこうしている間に、ルークがガウシカに接触した。上段から勢いよく飛びかかったルークは、そのまま獲物の背中に一撃を入れた。ポポの子供よりも1周り以上小さいその体は、血を流しながら簡単に地面に転がった。が、すぐにしなやかに立ちあがると頭部の大きな角を振り上げてルークに狙いを定めて突進してくる。瞬く間に目の前に鋭利な角が迫るが、ルークはそれを軽々と避けて脇に回る。次いで横合いからガラ空きの横腹を斬りつけた。背中と横腹を斬りつけられたガウシカは、たまらずその場に倒れ、そして動かなくなった。息をしていない事を確認すると武器をしまい、背後のガイとジェイドに声をかけた。
「お~い!ガイ~、ジェイドォ~。終わったぞ~?」
「おやおや。意外とすんなり終わってしまいましたね~」
「あ、ああ。そうだな」
ルークの隣まで歩いて行くと、ガウシカから生肉を剥ぎ取りつつガイは答えた。
「やはり、ルーク。あなたは接近戦の方が向いているようですね」
「なんか、そうみたいだ。爆弾使うよりもこっちの方が、勝手に体が反応するって言うか・・・。ヴァン師匠の動きをいつも見てたからかな?」
「ふむ。しかもあなたは切断タイプの様ですね。斬り口も奇麗です。武器も切断専門のものに変えた方がいいでしょうね。それにこれだけのセンスがあるのなら、しばらく練習すればすぐに実践で使いこなせるレべルになるでしょう」
「ほんとか?!」
「ええ。明日からの特訓メニューを考えておかないといけませんね~♪」
 私の特訓は厳しいですよ~?というジェイドに、ルークは苦笑いを浮かべた。
「ルークも接近タイプか・・・。なら連携が取れれば狩りがより楽になるな。生肉もまだ半分も集まってないし、狩りがてらちょっと練習してみるか?」
「おう!」
 頷き合うと、早速2人は狩りを再開した。それまでとは違って、息の合った2人はさくさくと獲物を狩っていく。そんな様子を見つめながら、ジェイドは眼鏡のブリッジに手を当てて何やら考え込んでいたのだった。
 
 

アビスキャラ in MH2G・6へ


PR

COMMENT

Name
Title
Mail
URL
Color
Emoji Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Comment
Pass   コメント編集用パスワード
 管理人のみ閲覧

TRACKBACK

Trackback URL:
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
HN:
黄昏
性別:
女性
趣味:
ゲーム・絵を描く・読書・カラオケ
<<ログ集  | HOME |  アビスキャラ in MH2G・6>>
Copyright ©  -- Twilight --  All Rights Reserved
Designed by CriCri / Photo by Melonenmann / Powered by [PR]
/ 忍者ブログ