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Twilight

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ルークとチョコとかくれんぼ・2

※このお話は「ルークとチョコとかくれんぼ・1」の続きです。






 
 
「くっそー!ナタリアのやつ、俺達を殺す気かっつーの!!」
 ルークは頭をかきむしりながら怒鳴った。隣に立つガイも、困り顔で同意する。レムの塔から無事逃げおおせた2人は、今は市街の裏通りにある脇道に身を隠して休憩中だった。
「さすがに、あの威力は凄まじかったな・・・。そう言えばアッシュのやつ、倒れたままの状態で置いてきちゃったけど大丈夫だろうか?」
「放っておけ、あんなやつ。せっかく親切心で止めたのに屑だなんだって・・・。あんな殺人的な異臭がする物体、よく平気な顔で食えるよ」
「う~ん。まぁ、アッシュとナタリアだしな~・・・。それよりも、多分ナタリアの事だから、今頃怒って俺たちの事追いかけて来てるんじゃないか?」
「うげ。捕まったらアウトじゃねーかよ!」
 2人の予想通り、ナタリアは今ティア、アニスを従えて徐々に2人の背後に迫りつつあった。ルークの言う通り、彼女らに捕まればアウトどころか、ナタリアのチョコによる制裁を受け地に沈む事になる。そうなれば、アッシュの二の舞だ。
「そろそろこの辺まで来てるかも知れないな。よし、場所を変えよう、ガイ!」
「いや、思わず勢いで逃げてきちまったけど。逃げたら余計にひどい目に遭うんじゃないか、ルーク?」
「ガイは大人しくあれを食べて死ねってのかよ!?」
「いや、アッシュはまだ辛うじて生きてた様な・・・?って、とにかく。今謝ればナタリアだって許してくれるかもしれないし、少し落ち着いて・・・」
「何が少し落ち着くんですの?」
 突然上から降ってきた聞きなれたその声に、ルークとガイはビクリと体を震わせた。次いで声がした方を振り仰ぐと。
「2人共、ようやく見つけましたわよ!」
 2人を見下ろせる位置にある建物の屋上で、腕組みをして肩を怒らせたナタリアと、その隣で面白そうに双方を眺めているアニス、そして、2人の間であたふたとしているティアが立っていた。
「ルーク、大人しく聞いていれば随分な物言いですわね!素直に謝るのなら許して差し上げようと思っていましたけれど、もう我慢の限界ですわ!!アニス、ティア。2人を取り押さえてください。あなた方にはたっぷりと、心行くまで私のチョコを堪能させて差し上げます!」
「りょうかーい☆」
「行きますわよ!」
「え。ちょっと、2人共待って・・・」
 ティアの制止も耳に入らないのか、ナタリア、アニスはそれぞれ武器を構えて下に立ちつくす2人目がけて飛びかかって行った。ルークとガイも応戦の構えを見せる。
「ルーク、大人しく投降なさい!」
 ナタリアがルーク目がけて威嚇も兼ねて矢を放つ。
「へっ。どこ狙ってるんだよ!」
 矢はルークの足元すれすれの地面に突き立った。が。
 ブショワアアアアアアアアアアアア・・・・
 白煙を上げて地面が溶けだした。矢の先にはなにやら黒い物体が塗られている。
「ちょ・・・。なんだよこれ!?」
「地面が、溶けた・・・?!」
 驚くルークとガイを見て、ナタリアはきょとんとして答えた。
「何って?溶かしたチョコを塗っているだけですわ。試作用に作っていたものを使ったのです」
「これチョコかよ!・・・って、うわっ!!なんか目に来たっ!?」
 白煙を吸いこんでしまったルークは、目の痛みに生理的に浮かんだ涙を腕でごしごしと拭った。その決定的な隙をついて、アニスがルークを捕えようとトクナガで襲いかかる。
「チャーンス!ルークに恨みはないけど、ナタリアのためなの。大人しく捕まってね~☆」
 未だにダメージから回復できず、その場で立ち往生しているルークに、トクナガの魔の手が迫る。
「よっしゃ!ルーク取ったああああ!!」
 トクナガの腕がルークの体に絡みつこうとした、その瞬間。一陣の風が2者の間をすり抜ける。
「危ない!ルーク!!」
ガイの咄嗟の機転によって、ルークはトクナガの腕の届く範囲外に突き飛ばされた。しかし、当のガイ本人はというと、ルークを突き飛ばした後トクナガによってがっちりとホールドされてしまっていた。
「チッ。逃がしたか。・・・んでもぉ~。ガイ捕獲完了~☆」
「ガイ!?」
 やっとダメージから回復したルークが、ガイのピンチに気付いて叫んだ。
「まずはあなたからですわね、ガイ。さぁ、たんと召し上がってくださいな!」
「え?ちょっと待っ・・・!ルーク!助けてくれ!!」
「させないよ、ルーク!」
 しかし助けに入ろうにも、アニスがトクナガの上でロッドを構えてルークを牽制しており、容易には近づけそうもない。ルークとアニスが互いを牽制し合っている間にも、ナタリアとティアがガイに近づいて行く。そしてついに、ガイに手の届く位置までたどり着いてしまった。
「ガイ、覚悟はできまして?」
「ご、ごめんなさい、ガイ。ナタリアのためなのよ・・・」
「そ、それ以上、ち、近づかないでくれっ!!(泣)」
「まあ!近づかなければ食べさせることが出来ないではありませんか。女性恐怖症なんて少しくらい我慢なさい!!」
「ナタリア・・・(汗)」
 ガイの抵抗も空しく、ナタリアとティアがガイに急接近した。
「来るなぁっ!さ、触らないでくれえええええええええっ!!・・・・・ガクリ」
 ガイ、女性恐怖症発症により、チョコを食べる前に気絶。戦闘不能。
「ガイ――――――っ!!(泣)」
「ルーク、うるさいですわよ!それにガイも!チョコを食べる前に気絶してしまうとは、情けないですわ!!」
「やっぱり女性恐怖症ってオチか~。もうちょっと捻りが欲しいよね~」
「ふ、2人共、もうガイを離してあげたら?魘されているわ・・・」
「それもそうか~。トクナガ大きくするのも疲れるしね~。よいしょっと・・・」
 アニスはトクナガの拘束を弛めて、ガイを地べたに転がした。あまりの扱いのひどさに、涙が禁じえない。
「さ~て、残るは・・・」
 クルリとこちらを振り向いたアニスに、一部始終を見守っていたルークの肩がビクリと震えた。
「ルークのみ、ですわね」
 ナタリアの黒い笑みに、思わずその場から半歩後ずさる。
「ごめんなさい、ルーク。でも抵抗は無駄よ。大人しく捕まった方がいいと思うわ・・・(汗)」
 ジリジリと近寄ってくるティアに、近寄られた分だけさらに後ろに下がり。
「お、大人しく捕まるなんて出来るか―――――――っ!!!(泣)」
 ついに半泣きで踵を返すと、3人とガイのいる方向とは逆に向かって全力で走り去った。
「まぁっ!往生際が悪いですわよ!!」
「キャハッ☆ルーク狩り開始だね~♪」
 ガッツポーズをとり殺る気満々のナタリアに、なんだか楽しそうなアニス。そして2人の足元で完全にのびたまま既に存在を忘れられているガイ。そんなガイと、悪乗りしている2人とを交互に見て、彼と同じ運命を辿る事になるであろうルークの今後を思って、ティアはこっそりため息をついた。
「ルーク、大丈夫かしら・・・」
「さぁ、行きますわよ!」
「りょーうかーい☆」
 元気よくルークを追って走り出したナタリアとアニスを追って、ティアもルークの追跡を開始した。
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