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Twilight

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クリスマスの悪夢・2

※このお話はクリスマスの悪夢1・選択肢のさらに後のお話です。間違って来てしまった人は戻って前の作品からご覧ください。そうでない方は下へお進みください。






「・・・・・はっ!?」
 ルークは自室のベッドの上で飛び起きた。
「ルーク、起きたのか!?具合はどうだ?」
 傍についていてくらたらしいガイがすぐに気付き、ルークの傍に近づいてきて熱を測ったりと世話を焼き出した。それを不思議そうに見つめながら、ルークはガイに問いかけた。
「ガイ?俺、一体何が・・・。あれ?ガイに角が生えてない・・・」
「角?何の事だ??」
「あ、いや。なんでもないよ。(あれは夢だったのか。にしては妙にリアルだったけど・・・)」
「ルーク、ほんとに大丈夫か?まさかどこか痛むんじゃ・・・」
「だ、大丈夫だよ!それより、なんで俺ベッドに寝てるんだ?たしか・・・・ジェイドから本貰ったとこまでは覚えてるんだけど・・・」
「ん?ああ。それならジェイドが説明してくれるよ。な、そうだろ、旦那?」
 ガイの言葉に、ガイの後ろで悠然とコーヒーを飲んでいたジェイドが肩をすくめた。そのやり取りだけで、どことなくガイが不機嫌なことを感じ取ったため、またジェイドが何かやらかしたのだろうと察しがついた。
「それについてはもうちゃんと謝ったでしょう?それに、既に事前調査で安全だと判明した代物です。だからこそわざわざ許可をもらってダアトから発見された内の一冊をこうして送ってもらったのですよ」
「どういう事だ、ジェイド?」
 いまいち状況が飲み込めないルークに、ジェイドはやれやれと肩をすくめると、コーヒーを片手にルークのいるベッドの脇に椅子を移動させ、そこに腰を下ろした。そして、ベッド脇の台の上に置いてある、ルークへとプレゼントした本を手にとってルークに差し出す。
「これは、創世暦時代の譜術と譜業技術によって作られた特殊な本なのですよ、ルーク」
「創世歴時代の?そんなに古いものだったのか・・・」
「ええ。開いた持ち主が見たいと思う物語、今回の場合はサンタクロースの物語でしたが。それをあらかじめ、この本の背表紙に埋め込んである再生装置に登録しておくことで、本を開いた時に、見る者の五感を支配し、潜在意識に反応して物語を実体験できるようになる、という様な代物なのです」
「ま、簡単にいえば、本を見た奴にえらくリアルな幻覚を見せてくれるって事だ」
「まぁ、あくまでも本を開いた者の主観で話が進むため、見る人によっては登場人物が違う等、全く違う話になってしまうという点と、物語の再生が終了するまでの2~3時間、本の使用者は昏睡状態に陥るというデメリットがありますがね」
「なるほどな。それで俺は寝てたってわけか」
「本を開いた途端急に倒れたから冷や冷やしたよ」
 そう言ってちらりとジェイドの顔を睨むガイは、まだ怒っているようで。ジェイドはそれをさらりと軽く流して、涼しい顔でコーヒーを啜っている。そんな2人の様子を見て、ルークは苦笑した。
「そういえば、見る奴によって話は変わるんだよな?ルークはどんな夢を見たんだ??」
「え?!(びくり)」
「それは私も気になりますね~。危険なシーンが出てくるようなお話ではなかったはずなのですが、うなされていたようですし。何か怖い夢でも見たのですか?」
 ジェイドの言葉に、これまで見てきた夢が次々と脳裏に浮かんでは消えて行く。どれも思い返してみれば悪夢だったのではないだろうか?ふっと唐突に、目の前にいるジェイドとガイの顔と、夢の中の2人の幻が重なって見えた。
「聞かないでくれ、思い出したくない・・・!!」
 そう言うと布団をかぶってガタガタと震えだすルーク。そんな様子に、2人は顔を見合わせた。結局そのあと何を聞いても「聞かないでくれ」の一点張りだったため、話を聞くのを諦めてその場は解散となった。こうして、ルークの恐怖のクリスマスイヴの夜は過ぎて行ったのだった。
 後日、通常通り行われたクリスマスパーティーでは、サンタクロース役を見事こなしていたルークであったが、ジェイドからもらったその本は二度と使おうとはしなかったという。
 
 
 




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